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17年前に家守としての私の思いを綴った「家づくりで失敗する人をなくそう」④

17年前に家守としての私の思いを綴った「家づくりで失敗する人をなくそう」④

日本の家づくりは不十分

日本は世界一位の高齢社会。それにひきかえ日本の住宅寿命は25年。100年住宅もあるというアメリカ、イギリスにくらべなんと短命なことことでしょうか、あまりにももったいない話です。日本の住宅は「うさぎ小屋」(1979年頃、ECの報告書に掲載され日本で話題となりました。)と形容されています・それは単に日本の家が狭いというからだけではないと私は思うのです。小学校にあった「うさぎ小屋」を思い出してください。トタンと細い角材で組み立てられたペラペラの小屋は、風がピューピュー葺吹きぬけ寒々しいものでしたよね。台風が来ると屋根が吹き飛ばられそうになったり、夏はトタンが熱を持ってサウナのような状態になるという快適には程遠い「箱」でした。日本の住宅は快適さの意味でも「うさぎ小屋」と言われても仕方ないつくりです。

何よりも悲しいことは、30年もかけてローンを返済している「我が家」が外国と比較して「性能が劣る家」となっていることです。これは日本の住宅の工法が悪いとか、技術力がないとかいうことではありません。その証拠に日本古来の建築物は世界的に見ても非常に高い水準を誇っていますし、築1200年の法隆寺などの有名建築でなくとも京都には築100年くらいの家が点在しています。では、なぜかというと住宅大量供給が急務の戦後は物資もなく、とにかく安くて工期の短い住宅が必要でした。でも戦後50年を過ぎて物の豊かな時代となり質の時代と言われているなか、建設省より高耐久性住宅という30年を基準とした家づくりが提唱されました。しかし普及は進んでいません。お客様受けの良い、内外観の見た目と設備に頼る家づくりが主流なのです。

ある出会いで学んだ家づくりの姿勢

それは、うちのOB施主さんのご親戚のTから「齊藤さん、自分の家で気がかりのことがあるので相談に乗ってくれませんか。」という電話からでした。Tさんは某メーカーで家を新築されたばかりということをOB施主さんから聞いていたので「新築して間もないなら建てたところにご相談されたほうが良いと思います。」と返事をしたのですが、「無理は承知してます。うちを助けるとおもって聞いてもらいたい。」そこまで言われて渋々でしたが私で役に立てるのならと、相談を聞きに訪問しました。初めて見るTさん宅は「何が心配なのか・・・」と思うくらいな立派な家でした。ご夫婦で迎えて頂き、早速お話を伺うとTさんの心配事は天井裏と床下を見ればわかることなので、その場で潜り込んで点検し問題がないことを写真を撮り説明しました。ご夫婦ともに安心されてから、Tさんが私に「建築中の会社の対応と職人の仕事に不信感を持ってしまい、相手の言うことを信用できなくなってしまった。不安なんだよ」以後Tさんの家の相談は私が受けることになりました。建築会社の訪問もあるようですが、相変わらずとのことでした。

7年ほどして老後の準備にと少しリフォームをされ、ご夫婦のお人柄もあってとても気持ちよく仕事をさせていただきました。工事完了の報告をしとぃると、突然奥さんから「齊藤さんに家を建ててもらいたかった」とご主人も「建ててしまったのだから今更遅いけど、うちの面倒はこれから齊藤さんにずっと見てもらいたいと思っているので、これからも頼みます」と言われました。こんなに真面目で温かいご家族が間違った作り手との出会いのために、楽しいはずの家の新築を「思い出したくもない、大丈夫とわかっていても不安になることがあるんだよね」と言わせてしまうことが残念でなりません。「いい家とは家本体ばかりでなく、お施主さんとご家族の満足と安心感あるからこそいい家」と言えるのだということをこの出会いで私はを学びました。 Ⅱいい家への思いにつづく