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17年前に家守としての私の思いを綴った「家づくりで失敗する人をなくそう」③

17年前に家守としての私の思いを綴った「家づくりで失敗する人をなくそう」③

ごみ対策として長寿命の家は必要

昨今、ゴミの大量不法投棄が社会問題になっている建設業界では子供たちの未来のために、できる限り地球環境を悪くしないよう水・空気・土壌・消費財などでルールを作り技術開発を進めています。建設ゴミは産業廃棄物全体のなんと4割も占めています。捨てられるのは様々な理由で処理しきれなくなったゴミ。現在、現場から出されるゴミは大別して2つあります。

1つは工事中に出るゴミ。もう一つは建替えにともない出される解体ゴミ。工事中に出るゴミについては、建材メーカーや施工者が梱包の簡略化、ゴミの分別、リサイクル、材料の使い方の工夫など減量化していますが、まだ十分とは言えません。さらに深刻な問題となっているのは、解体ゴミです。木、コンクリート、鉄、プラスチックなどの建材の他に設備器具を含めると住宅30坪の大きさで4tダンプ14台分の解体ゴミを出します。大まかに木5台分(燃料用にリサイクルまたは焼却)、コンクリート5台分(建材としてリサイクル)、瓦2台分(埋め立て)、混合ゴミ(分別のうえ埋め立て)と莫大な量になります。それ以外にも解体作業・運搬・焼却・埋め立てと重機を動かすために軽油等の化石燃料を消費しています。解体は環境に対する負荷が極めて高いと言えます。

これを解決する方法は、さらなる分別の徹底によるリサイクルの促進とゴミ減量の基本となる「ゴミを出さないこと」、「家を壊さないこと」でないでしょうか。古民家などの移築などでリサイクルもおこなわれていますが、解体してまた使うことで手間とコストがかかってしまい一般への普及はあまり期待できません。やはり長く快適に住める家をつくり建替えをできるだけ引き延ばすこと、耐久財としての性能向上が求められています。今後、「古くなった」「不具合ある」「不便になった」からと簡単に建替えることはゴミ対策上からも難しくなるでしょう。

日本の住宅はなぜ短命なのか

住宅と他の耐久財との決定的な違いが何と問われれば、回答は一つです。住宅は使われる年月が圧倒的に長いことです。住宅金融公庫(現在の住宅金融支援機構)の調査によると日本の住宅の建替えは、築25年目が最も多く築30年目までと合わせると全体の6割に達しています。私が家を建てるお施主さんから、よく耳にするのは「ローンが終わるまでは・・・・」という言葉です。一般的なローンの返済期間は25年から30年(現在では35年間が多い)なので、それはもっともなことです。海外の木造住宅の平均寿命はアメリカで築44年、イギリスで築75年だそうです。またアメリカ、イギリスともに築100年という住宅も珍しいことではなくその資産価値も高いと聞いています。「日本の中古住宅が築10年もすると評価が著しく下がるのは、手入れが悪いのと古いほど性能が低いからですよ。」との不動産屋さんの話です。また日本人の暮らしが急速に豊かになり、皆が求める暮らしに家の広さや性能ともに合わなくなってしまったことも住宅を短命にしている要因です。

最近では長く住み続けようとリフォームで暮らしを変えようとする方も増えています。間取り、設備器具、収納などをリフォームして住みやすくすることは可能でも居心地を変えるほどの性能に改良するためには、一般的に新築並みの費用がかかります。リフォームする方の本音は「できることなら家を建替えしたかった」との気持ち、でも新築は費用が掛かるから「リフォームで我慢する」。言いかえれば、長く快適に住み続けたいとか住み続けるためには、新築時に十分な検討をすることが必要なのです。           日本の家づくりは不十分に続く